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 人にも優しい高断熱化

 

 

住まいの高断熱化は省エネにつながり、環境にもやさしい。

それに加えて、住む人々から様々な病気を遠ざけて健康な暮らしを送ることができるようになるというメリットもある。

高断熱化は、人にもやさしいのだ。

 

 近畿大学工学部建築学科教授・岩前篤氏(安全な住環境に関する研究会幹事)は、住宅が居住者の健康に与える影響を定量化する事を目的としたアンケート調査を2009年の秋から冬にかけて行った。断熱グレードが級2以上の住宅に転居した人を対象に、転居に伴う断熱グレードの変化と様々な症状の改善率と発症率の関係を調査したもので、その結果は次のようになった。

 転居後の断熱グレード(寝室も窓サッシの材質及びガラスの枚数から推測)は、最多の等級4がほぼ半数を占め、続いて等級3、等級5の順に多いという結果となった。

実際には、住宅ストック全体の中で等級4を超える住宅の割合は20~30%と推定され、高断熱側にシフトしているといえる。

 

 

高断熱化で健康に

 

 

断熱グレードと改善率.jpg

それでは、高断熱化された住宅が居住者の健康に与える影響は、どのように表れたのであろうか。転居前に何かしらの症状を発症していた人の中では、目・肌のかゆみ、手足の冷え、アレルギーの性鼻炎などの症状を訴えていた人が特に目立っていた。それが、転居後の住まいの断熱グレードが上がるほど、症状が出なくなる人の割合(改善率)が増加していいる。特に気管支喘息やのどの痛みといった症状の改善率が一段と高くなっているが、もちろんその他の症状も軒並み改善率は上がっている。そして、断熱グレードが等級4以上になるとさらに上がり、中には改善率が70%を超える症状もあるほどだ。

 

 

断熱グレードと発症率.jpg

 

 

一方、転居後に何らかの症状出るようになった人の割合(発症率)も、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、気管支喘息を除き、断熱グレードの上昇に伴って低くなる傾向にあり、改善率の結果とおおむね矛盾しない結果が出ている。全体として、ほぼ全ての諸症状に高断熱化による改善効果が「見られ、高断熱化が居住者の健康に対して与える影響が相当明確になった調査結果であったと言えよう。

 

 

<Design&Data 5/25号記事抜粋>



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