消費生活用製品安全法の改正
不動産事業者に義務・責務が課せられます
古くなると重大な事故を起こす恐れがある特定保守製品について、4月1日より長期使用製品安全点検制度(消費生活用製品安全法の改正)が施行され、住宅生産者及び不動産販売業者・不動産取引仲介業者には、義務・責務が課せられることとなりました。そこで、経済産業省の資料をもとに新制度の内容、及び義務・責務について説明します。 |
長期使用製品安全点検制度とは?
長期間の使用に伴い生ずる劣化(経年劣化)により安全上支障が生じ、特に重大な危害を及ぼすおそれの多いとされる特定保守製品の9品目について、点検制度が設けられます。
義務・責務の対象となる製品は平成21年4月1日以降に製造・輸入されたもので、製品の見やすいところに「特定保守製品」(※1)と表示されています。製品に「特定保守製品」の表示がない場合は、義務・責務はありません。
特定保守製品と表示がある下記の9品目が対象となります。
- 屋内式ガス瞬間湯沸器(①都市ガス用 ②LPガス用)
- 屋内式ガスバーナー付きふろがま(③都市ガス用 ④LPガス用)
- ⑤石油給油機
- 石油ふろがま(⑥屋内式 ⑦屋外式)
- ⑧密閉燃焼(FF)式石油温風暖房機
- ⑨ビルトイン式電気食器洗機
不動産販売業者(売主)の義務・責務
売主となる住宅生産者及び不動産販売業者には、特定保守製品を設置した住宅を販売する際に購入者に対し、製品に付帯してある所有者票(※2)に記載されている法定事項の説明の義務が課せられます。また、ユーザー登録(所有者票の投函等)への協力の責務も生じます。
新築住宅だけではなく、既存住宅のリフォームであっても、新たに設置する特定保守製品が、平成21年4月1日以降に製造・輸入されたものであれば、義務・責務を果たさなければなりません。
所有者への引渡し時の説明、義務の注意点
- 点検等の保守や所有者情報の提供(登録・変更)等の必要性を製品の取得者に説明しなければならない
- 説明する際には、製品に同梱されている所有者票を取得者に示して、そこに記載されている法定説明事項を説明すること
- 説明の相手は、一般消費者に限らない。所有者として、家屋賃貸人などの事業者があり得ることも考慮する
- 説明すべき時期は、まさに引渡しと時間的に先後することは許されるが、時間的に密接であることは必要
所有者情報の提供の協力、責務の注意点
- 製品の取得者から所有者登録の為、所有者情報の提供を受けた場合には、特定製造事業者などに対する所有者情報の提供に協力しなければならない。
- 協力は、取得者票に記載の取得者登録の方法(取得者票の送付やウェブ登録等)の代行などによって行うこと。
不動産取引仲介事業者の責務
特定保守製品が設置されている物件の仲介をする場合に、製品の所有者に対して、点検等の保守や取得者情報の提供(登録・変更)等の必要性の情報提供を行い、所有者の取り組みをサポートしなければなりません。
不動産取引仲介事業者の場合は、売主から買主に対して渡される建物の設備表に、特定保守製品の有無に関する記載を設けて、設備表の脚注などに次の点を明記するなどして、売主から買主に特定保守製品の保守に関する情報が円滑に伝わるように努めなければなりません。
- 特定製造事業所などに所有者情報の提供(登録・変更)が必要であること
- 点検期間に点検を行うことが必要であること
- 特定製造事業者などへの連絡先は製品に表示されていること