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 省エネ基準義務化 断熱や設備等を総合判断

 伝統構法など断熱構造化が難しい住宅も、設備・機器等を導入することで同一基準での省エネ性能判断が可能になる。
例えば、伝統構法で断熱性能があまり高くない住宅でも、再生可能エネルギーを多用したり、高効率給湯器などを導入することで、家庭での一年間の一次エネルギー使用量を一定程度に抑えることは可能と判断。
一次エネルギー消費量に換算して評価する、総合的な環境性能の判断基準にする案が浮上した。

(日本住宅新聞 H.23.2.25)

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 国土交通省と経済産業省が検討中の住宅への省エネルギー基準適合義務化に関して、道筋が徐々に明らかになってきた。建築物の省エネ基準義務化を段階的に進めて、2020(平成32)年度にすべての新築住宅に義務化するとした場合、最短で2011(平成24)年の通常国会に義務化法案を提出。

施行にあたっては、国民的なコンセンサスを得るために、まず住宅以外の大規模建築物を義務化し、最後に住宅にまで適合範囲を広げる案が浮上している。  

 

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暖色や寒色など資格から受ける色彩効果が、人間心理に与える影響は広く知られております。

加えて目で見るだけではなく、皮膚からも感ずることが出来ることが実証実験で証明されております。

色彩効果を上手に利用して物理的なエネルギーに頼ることなく省エネを図る方法をお伝えします。

 

 「色」から考える身近な省エネ

色相環1.jpg

 住宅における「省エネ」というと太陽光発電やエネファームなど大掛かりなものが思い浮かびますが、ここでは色から身近な省エネを考えていきます。

 色には「暖色」「寒色」「中性色」があります。色相環の中で、暖色は赤~黄色を指し、寒色は緑みの青・青・青紫を指し、それ以外の色を中性色と言います。文字通り、暖色は見た目に温かみを感じる色・寒色は涼しさを感じる色です。

それだけではなく色の効果は見た目に暖かい・涼しいにとどまらず実際に体に作用するのです。この色相環は虹の両端の色をつないで作ります。

 虹のできる仕組みは皆さんご存知のように、太陽光に含まれる様々な色が波長の長さによって順番に分かれるからです。つまり色は電磁波の一種です。ですから、色は目で見るだけではなく皮膚からも感じるものなのです。実際に、実験的に作られた真っ赤な部屋と真っ青な部屋に目隠ししたまま一定時間過ごすと見えないにもかかわらず、体温や心拍数等に明らかな違いが出ることが分かっています。一般的に同じ温度の部屋にいても、自律神経の刺激によって感じる体感温度は暖色系の部屋と寒色系の部屋では3度も違いがあると言われています。この体感温度の違いを上手に利用しない手はありません。

 

「色で省エネ」の具体的な方法とは?

 

色相環.jpg

暑い夏を快適に過ごすためには「寒色」を、冬を快適に過ごすには「暖色」を使うのが良さそうだということは、既にお分かり頂いたと思います。では具体的にはどのように使うのでしょうか?自律神経に作用し実際に体感温度を変えるには、鮮やかな濃い色のほうが効果があります。けれどそれを広範囲に長時間使ってしまうと、刺激が強すぎて神経が疲れてしまい逆効果になります。二つの表を見て頂いてわかるように各色は白・黒・グレーを段階に混ぜることによって変化していきます。

 例えば、赤に白を混ぜることでピンクに、黒を混ぜることで茶になります。長時間いる場所に広範囲に色を使う時はこのように鮮やかさを抑えた色を使います。床や壁紙はなかなか季節ごとに変えることはできませんから、カーテンやソファーカバー・ベッドカバー・小物などで調整していくことになります。

どんどん暑くなるこれからの季節は特にリビングやベッドルームに寒色を使って涼しい夏を過ごしましょう。色相環の中の一色または隣り合った色の濃淡配色はまとまりが良く失敗の少ない組み合わせです。

 

 

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寒色の中でも特に青は水をイメージさせ涼しさを増します。また、後退色という物が遠くに見える効果がある色なので、部屋を広く風通し良いイメージを作れる色です。面積によって色が変わって見えることを「面積効果」と言いますが、明るく鮮やかな色は面積が大きくなるほど より明るく鮮やかに感じられ、暗い色は面積が大きくなるほど一層暗く感じられることが分かっています。ですから一色の濃淡配色の場合はカーテンやベッドカバー等広い面積に使う色は、気に入った色より薄く明るめの色を選び、クッションや枕カバーなど面積が小さくなるに従って濃い色になっていく方が自然に感じられます。

 ただ、青一色や隣り合った色同士の濃淡配色の場合、涼しさは増しますが寂しい感じになってしまうこともあります。そんな時は色相環の90度から180度の色をアクセントとして加えてみましょう。

 その時に大切なのはバランスです。加える色が鮮やかな色の場合5%くらい、淡い色の場合でもせいぜい20%まで。

主役はどの色なのかをハッキリさせることでバランスが取れます。

 

明度と彩度.jpg

 もう一つ涼しさを感じる配色としては、無彩色の白・グレーと少量の黒の組み合わせです。ただし、これだけではクールで冷たくなりすぎることもあるので、その場合は何か一色差し色を入れましょう。少量であれば暖色系を差し色に選んでも涼しげな雰囲気は保てます。また、色を効果的に使うなら素材を選ぶことも大切です。例えば青を使っていても、木の素材に青のペイントのテーブルや椅子はあまり涼しげには見えません。素材が木なら青のペイントよりは白木のように明るいものを選んだほうが爽やかに見えます。色ではありませんがガラスのテーブルやシルバースチール素材の椅子は、さらに涼しげになります。可能なら各部屋のライトの色も考えた方が良いでしょう。

 白熱電球は黄みの強い光なので見え方が全て暖色寄りに、逆に蛍光灯は青みの強い光なので見え方が寒色寄りになります。

 最近LEDライト等で光の色も選べるようになってきています。

 特に寝室には寒色の沈静効果を高める青み寄りの光をお薦めします。

 

「寒色」を使う場合の注意点

 

白の寝室と青の寝室.jpg

体感温度を下げ、爽やかに過ごすための「寒色」ですがキッチンやダイニングには要注意です。寒色系は「苦い」「青くさい」などの味のイメージにつながりやすく、また食欲の無くなる夏には逆効果になります。

 キッチンやダイニングには夏でも暖色か中性色の中の黄色寄りのグリーンを使って食欲を減退させないようにしましょう。

 せっかくの省エネも体調を崩したり、ストレスを抱えては意味がありません。

 今年の夏は、色を上手に使って、エアコンの温度を下げ過ぎず快適に過ごすことをお試しください。

 

<Design & Data 2010 5/25記事抜粋>



 人にも優しい高断熱化

 

 

住まいの高断熱化は省エネにつながり、環境にもやさしい。

それに加えて、住む人々から様々な病気を遠ざけて健康な暮らしを送ることができるようになるというメリットもある。

高断熱化は、人にもやさしいのだ。

 

 近畿大学工学部建築学科教授・岩前篤氏(安全な住環境に関する研究会幹事)は、住宅が居住者の健康に与える影響を定量化する事を目的としたアンケート調査を2009年の秋から冬にかけて行った。断熱グレードが級2以上の住宅に転居した人を対象に、転居に伴う断熱グレードの変化と様々な症状の改善率と発症率の関係を調査したもので、その結果は次のようになった。

 転居後の断熱グレード(寝室も窓サッシの材質及びガラスの枚数から推測)は、最多の等級4がほぼ半数を占め、続いて等級3、等級5の順に多いという結果となった。

実際には、住宅ストック全体の中で等級4を超える住宅の割合は20~30%と推定され、高断熱側にシフトしているといえる。

 

 

高断熱化で健康に

 

 

断熱グレードと改善率.jpg

それでは、高断熱化された住宅が居住者の健康に与える影響は、どのように表れたのであろうか。転居前に何かしらの症状を発症していた人の中では、目・肌のかゆみ、手足の冷え、アレルギーの性鼻炎などの症状を訴えていた人が特に目立っていた。それが、転居後の住まいの断熱グレードが上がるほど、症状が出なくなる人の割合(改善率)が増加していいる。特に気管支喘息やのどの痛みといった症状の改善率が一段と高くなっているが、もちろんその他の症状も軒並み改善率は上がっている。そして、断熱グレードが等級4以上になるとさらに上がり、中には改善率が70%を超える症状もあるほどだ。

 

 

断熱グレードと発症率.jpg

 

 

一方、転居後に何らかの症状出るようになった人の割合(発症率)も、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、気管支喘息を除き、断熱グレードの上昇に伴って低くなる傾向にあり、改善率の結果とおおむね矛盾しない結果が出ている。全体として、ほぼ全ての諸症状に高断熱化による改善効果が「見られ、高断熱化が居住者の健康に対して与える影響が相当明確になった調査結果であったと言えよう。

 

 

<Design&Data 5/25号記事抜粋>



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