「いえかるて」を活用した総合管理サービスを開始(Panasonic電工)
1.長期優良住宅に求められる「住宅履歴情報」とは何か
国土交通省より長期優良住宅の認定状況が公表されていますが、2月単月で5,854戸、昨年6月からの累計では49,958戸となり、9カ月で5万戸に及ぶ長期優良住宅が認定されたことになります。
認定状況をもう少し詳しく見ると、
■利用関係別 :戸建住宅が中心(共同住宅は1割程度)
■エリア別 :おおむね偏りなく分布(1,000戸超が18県)
■業態別 :大手住宅メーカーが中心(採用率9割も)
という特徴が指摘出来ます。つまり、戸建て住宅中心に、全国的に普及は進んでいますが、
大手住宅メーカーでの採用が多く、地域住宅会社はやや出遅れているという印象です。
長期優良住宅の認定条件としては、
①設備仕様面での対応 :耐震性、耐久性、省エネ、維持管理、面積等
②住宅履歴情報の保存 :設計、施工、維持管理、権利及び資産等に関する情報
に大きく分けられます。
設備仕様面では、性能表示制度に沿った対策が求められますが、更に「住宅履歴情報」の作成・保存という点にも注意が必要です。
これは「いえかるて」という愛称で呼ばれるもの、「いつ、だれが、どのように新築や修繕、改修・リフォーム等を行ったか」を記録した、住まいの履歴書のようなものです。
具体的なイメージとしては、下表にまとめたように、新築段階と維持管理段階における、住宅に関する書類や図面の記録・保存が必要となります。
原則として、住宅所有者の責任で蓄積・活用すべきものですが、住宅会社としてもこれらを意識した対応が求められます。
●「住宅履歴情報」の具体的な例
新築段階 | 建築確認 | 地盤調査、建築確認、工事監査、完了検査、開発行為に係る書類や図面 |
住宅性能評価 | 設計住宅性能評価、建設住宅性能評価(新築)に係る書類や図面 | |
長期優良住宅認定 | 認定手続きのために作成される書類や図面 | |
新築工事関係 | 住宅の俊工時とそれまでに作られた書類や図面 | |
維持管理段階 | 維持管理計画 | メンテナンスプログラム等 |
点検・診断 | 自主点検、サービス点検、法定点検、住宅診断に係る書類や図面等 | |
修繕 | 計画修繕、その他の修繕に係る書類や図面 | |
リフォーム・改修 | 性能、仕様等の向上のためのリフォーム・改修工事に係る書類や図面 | |
認定長期優良住宅の維持保全 | 保存が義務付けられている維持管理の記録等 | |
性能評価 | 建設住宅評価(既存)に係る書類や図面 |
資料)住宅履歴情報整備検討委員会の公開資料より(戸建住宅・マンション専有部の場合)
2.安心・長寿命化を実現する「住まいの総合管理サービス」を開始
このような動きをふまえて、パナソニック電工では、長期優良住宅時代における、住まいの安心・長寿命化を実現するために、業務提携した株式会社エプコと連携して、住宅の維持管理やリフォームが適切に行われる仕組みを規格開発しました。
■履歴管理 :パナソニック電工が「いえかるて」を保管
インターネット上で「いえかるて」閲覧も可能
■設備配管図 :維持管理対策等級3に対応する図面を作成
■コールセンター対応 :24時間365日コールセンターが対応
:トラブル急行サービスも利用可能
住宅の維持管理に不可欠な「住宅履歴情報(愛称:いえかるて)」を住宅会社にかわって保管する「履歴管理」業務を中心に、住宅の維持管理対策の為の「設備配管図」の作成業務や、一般施主に対する24時間365日対応可能な「コールセンター」業務などを組み合わせて、「住まいの総合管理サービス」としてとして提供するものです。
設備配管図の作成や履歴情報の保管という、手間のかかる業務を支援することで、住宅会社の負担を軽減するとともに、コールセンター対応や水漏れなど急を要するトラブルにも対応できるシステムとして、アフターメンテナンス面で差別化を図ります。
ます、全国のパナソニックビルダーズグループ加盟店による、オリジナル耐震住宅工法「テクノストラクチャー」新築戸建一戸建て住宅で先行して運用を開始し、その後、リファインショップなどにも同サービスの提供を開始する予定としています。