正社員化と生産性向上を


住宅需要低迷も問題は継続


大工・職人不足の話題が最近あまり聞かれなくなった。しかしそれは住宅需要が低迷し、一時的に大工不が住宅建設のネックではなくなったから、問題は何も解決していない。


国勢調査によると、1970年に約85万人いた大工は2010年には約40万人と、40年間で半分以下に減った。同じ期間に木造住宅の着工数も約103万戸から約46万戸へと半減しており、需給は均衡しているかに見える。だが、新規入職者は少なく、大工不足は解消されそうにない。


この間、プレカット普及により大工を必要とする工事そのものの量が減り、作業の質も加工された木材を組立てるものが主体に変わってきた。プレカットの普及で70歳くらいまで現場で働けるようになり、何とか木造住宅の生産を支えることができていた。


生産年齢人口が減っていくなか、大工の雇用条件は他の職種に比べて見劣りし、親が安心して子を就職させられる状況にはなかった。ある調査では、平均的な大工は47歳、経験年数9.7年で年収336万円となった。これは一人親方といわれるもので、ガソリン代や道具代など必要経費を賄うため、手取りは相当に割引いて考える必要がある。建設業では行政の指導もあり、社会保険への加入意識も高くない。


 


(日刊木材新聞 H27.04.17号掲載記事抜粋)
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