最近のユーザーは何を重点に住宅設備機器を選んでいるか
最近のユーザーは何を重点に住宅設備機器を選んでいるか 「デザイン」と工務店のすすめ」で
最近、木造軸組工法で建てる注文住宅の世帯主の年齢層が35歳未満から35歳~40歳未満の層に高まってきているようです。
これは、リクルートの調査でわかったもので別図のとおり、07年までは30歳~35歳未満が28.6%と多かったが、08年には26.5%、09年には25.6%に減少、それに対して35歳~40歳未満が07年26.9%、08年に27.6%、09年30.1%と増えてきています。
一方、世帯主の年収を見ますと400~600万円未満が最も多く31.7%、次いで600~800万円未満が28.5%となっており、合わせると過半数を占めています。
世帯主の年齢層が上がり、平均年収も下がってきている傾向があります。
<世帯年収>
「何を中心に選んだか」 住宅設備の決め手
次に前述の注文建築の世帯主は、住宅設備機器や建材を選ぶときに何を中心に選んだのかを見てみましょう。
キッチン
キッチンの決め手になった理由で最も多いのは「デザイン性」(全体の21.9%)。
2位は「素材が気に入った」(17.1%)
3位は「工務店・建築家がすすめたから」(11.9%)
4位「色が気に入った」
5位「家事がし易く見えた」(8.2%)
6位「掃除がし易そう」(4.1%)
7位「予算内でおさまった」(3.6%)
8位「収納性が優れている」(3.4%)
9位「値引きが大きかった」(3.1%)
10位「高級感があった」(2.1%)
11位「会社の知名度が高かった」(2.1%)
設備機器を決めるに当たって殆どのの人がメーカーショールームを活用しているが、キッチンとバスについては特にこだわりが強く、建築主自ら決めているところが多い。そのこだわりのトップは「デザイン性」にあることです。
バスルーム
バスルームの選択で決め手にしているのは「デザイン性」がトップ(23.6%)、
次いで「工務店の若しくは建築家がすすめた」(20.1%)
「業者が気に入った」(9.1%)
「掃除がし易そう」(8.3%)
「高級感があった」(4.3%)
と続いている。
住宅内では唯一、裸になる部屋は「浴室」であるだけに、主婦である建築主のこだわりは特に強く、その内容は「デザイン性」と「素材」にこだわっているものの、その割には、選択の決め手に「工務店や建築家がすすめたから」がキッチンに比較して、その割合から2倍になっていることが不思議です。それだけ工務店や建築家の意見が強かったということでしょうか。
トイレ
トイレの決め手にしたポイントの1位は「工務店や建築家がすすめたから」(20.4%)
「デザイン性」(18.4%)
「掃除し易さ」(17.9%)
と続いています。
ここでも専門家の意見が強く反映されています。
洗面化粧台
決め手になった第1位は「デザイン性」(31.8%)
「工務店・建築家のすすめ」(21.8%)
「素材が気に入った」(6.5%)
「予算内でおさまった」(6.2%)と続いています。
給湯機器
決め手となった理由の1位は「工務店・建築家のすすめ」(57.1%)、
2位は、「メーカーが信頼できた」(7.5%)、
「予算内でおさまった」(6.5%)となっています。
ここでもプロの存在が買われていますので適切なアドバイスが大切になってきます。
窓
内装材や外装材については、本来、自ら選びたいところですが、施工と価格の関係で「工務店や建築家のすすめ」が決め手となっています。特に窓についてみますと、決め手となった理由第1位は「工務店・建築家がすすめたから」(32.8%)と高く、
「デザイン性」(13.2%)、
「価格が安い」(10.9%)となっています。
エコポイントの対象になった「窓」だけに、今年は「窓」指定が増えてくると思われます。「施工」と「価格」と「デザイン」「性能」のバランスをどうとるか。プロのアドバイスは欠かせません。
<日本住宅新聞H22.4.25号掲載記事抜粋>