住宅情報

新築住宅の省エネ判断基準適合率 京都議定書の達成目標に届かず

241119nihojutaku01.jpg

温室ガスの排出緑削減の目標を定めた京都議定書の期限が本年末で切れる。政府は住宅分野に関して、「新築住宅の省エネ基準適合率69%(2011年時点)」とする目標を掲げていたが、実際は48%に止まった。
(右記、グラフ1参照)

トップランナー制度の導入やエコポイントの実施などの効果で、08年以降、適合率は急上昇したものの目標には届かない結果となった。

 

 

日本の家庭部門の温室効果ガスの排出量は、この間も減っていない。

10年度のCO2排出量は1億7200万トンにのぼり、前年度より6.3%増、1990年比で34.8%増加している。その理由の1つとして政府が挙げるのが「家電製品の増加」。

家庭部門の用途別のCO2排出量を見ると、照明・家電製品(エアコンを含まない)によるCO2排出がおよそ半分を占め、1990年度比で10.8%増加している。主要家電の保有台数は増加傾向にあり(10年度)、特にパソコン(1990年度比867.7増)、DVDプレーヤー・レコーダー(01年度比507.8%増)、温水洗浄便座(1991年度比499.4%増)の増加が著しい=グラフ3参照

もう一つ、政府が理由として挙げるのが「世帯数の増加」だ。人口は近年横ばいで推移する一方、10年度の世帯数は1990年比で29.7%も増加している。

ただし世帯あたり人員は20.1%の減少で、単身世帯の増加が分かる=グラフ2。

世帯あたりCO2排出量は小さくても、各世帯で冷暖房や給湯が利用されるため全体のCO2排出量が減らない状態だといえるだろう。

日本は1997年に京都議定書を採択し、08-12年の間に温室効果ガスを1990年比6%削減する義務を負った。

昨年末の国連気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)では13年以降の京都議定書の延長が決まったが(20年にすべての国が参加する法的枠組みを発行する)日本は参加せず、自主的な削減の取り組みを進める。

政府は「革新的エネルギー環境戦略」の中で、30年時点の温室効果ガス排出量を1990年比で20%削減するとしており、09年に鳩山由紀夫首相(当時)が掲げた「20年までに1990年比25%削減」の目標は、事実上撤回の状態だ。

住宅分野に関して、政府は2020年度までに新築住宅の省エネ基準適合を義務化する予定で、現在、評価方法の見直し作業を進めているが、加えて、既存住宅対策の促進も求められている。

241119nihojutaku02.jpg241119nihojutaku03.jpg

 

 日本住宅新聞 最新号(2012年11月15日号)掲載記事

詳しくは、日本住宅新聞ホームページへ http://www.jyutaku-news.co.jp/



広告

おすすめサイト

新着情報

お電話でのお問い合せはこちら(受付時間:10:00〜17:00)

052-689-5551