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グラスウール供給に緊張感

流通側に冷静な対応求める

今年、断熱材の需要は、戸建て向けを中心に前年より約1割多い状況が続いてきた。

10月に入り一段と引き合いが盛り上がるなか、グラスウールの供給がにわかに緊迫の度合いを高めてきた。

きっかけは旭ファイバーグラスの九州工場の生産停止だ。

ただ、影響は一時的なものと見られ、他素材も含め断熱材メーカーは総じて「極端な仮需がなければ乗り切れる」と、仮需の発生を抑える流通側の冷静な対応に期待を示している。

グラスウールの受給は、主要メーカー3社の値上げ表明もあり、9月は値上げ前の仮需も含め今年1番の荷動きだった。

そのなかで、9月中旬の台風の影響で旭ファイバーグラスの湘南工場の出荷が納期調整に入った。さらに、先週18日に同社の九州工場でガラス溶解窯の一部に損傷が生じ、生産停止、21日から大幅な納期調整となった。九州工場では全力で復旧作業が進められており、10月末には生産再開の見通しだという。

他のグラスウールメーカーには21日以降、この穴を補てんするための注文が相次いでいる。マグ・イゾベールは、来春に予定している炉のメンテナンスに備え、在庫を積み増していたため、長期間の対応は難しいが「一時的かつ部分的に、実需を支えることは可能」と、既にバックアップの出荷を始めた。

同じ繊維系のロックウールや、発泡系のなかでシェアの高い押し出し発泡ポリスチレンなどには、供給余力などを確認する問い合わせが増えているが、実際の発注はおおむね様子見の段階。メーカーの反応は「既に高水準の出荷が続いており、急な対応は困難」「品種にもよるが、一定量の対応はできる」など一様ではないが、「過度の仮需は困る」との見解は一致する。流通側でも、9月に在庫を抱えたところでは表立った動きが見られないなど、ばらつきがある。

 

(日刊木材新聞 H25.10.25号掲載記事抜粋)

詳しくは日刊木材新聞紙面をご確認下さい。

日刊木材新聞ホームページ http://www.n-mokuzai.com



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