対象地域材の外材指定にとまどいの声
「農村への経済効果」検討は
木材利用ポイント事業で対象地域材に米国産ベイマツ(米松)、オーストリア産オウシュウトウヒ(Wウッド)が認定され、米松は既に大多数の都道府県協議会からの推薦により対象工法としても認められた。
これに対し、九州の同協議会はじめ国産関係者から、とまどいの声が上がっている。
特に対象広報の指定では「農山漁村地域の雇用、経済に対して大きな波及効果があること」を要件とし、都道府県協議会が地域ごとの実情に即して判断することになっているにもかかわらず、早期の推薦決定が相次いでいるためだ。
木材利用ポイント事業の「対象地域材の樹種及び対象工法」の申請等については、林野庁からガイドラインが出されている。対象地域材、工法に認定されるにはいくつかの要件があるが、双方に共通しているのは農山漁村地域の経済に波及効果があることで、これが同事業の主旨になっていることが分かる。
全国的に見れば米松などの需要が拡大することで地域経済(製品生産、雇用、物流など)に大きく波及する地域があることは確かで、また多くの地域で米松平角が住宅用梁・桁の主要製品になっていることを考えれば、流通業者をはじめ認定への要望も多いと見られる。だが、前途の主旨を考えた場合、特に国産材産地では容易に推薦を行える状況ではなく、実際に南九州4県(熊本、大分、宮崎、鹿児島)では検討を進めている段階で、まだ推薦を行う予定はない。
木造住宅需要の拡大を主目的にした施策ならほかにもある。外材の締め出しということではなく、木材利用ポイント事業は農山村地域の経済浮揚を前提にしなければ必然性が疑問になる。だからこそ対象地域材の認定は国が行っても、対象工法への推薦は都道府県協議会に判断が委ねられているという考え方があり、「本当に真剣な検討が行われたのか」(南九州の県木連関係者)と首を傾げる状況だ。
一方、例えば米松構造材が認定されれば、それを梁・桁に利用するだけで木材利用ポイント付与の条件をクリアできてしまうという点も指摘されている。これまで各種施策に対応するためのビルダーは国産材の柱、間柱、土台、また国産材を使用した構造用合板などを採用し、梁・桁でも杉などの活用を模索する動きが出ていた。だが、このままでは同事業であえて国産材を利用する必要がなくなり、国産材業界にとってはむしろマイナス要因になってしまうという見方もある。
国産材利用気運が高まっていたなかで、昨年は国産材原木・製品の供給不安が再燃してしまったのは事実だ。だが、それだけに同事業を活用して、都道府県など地域が国産材の供給体制整備に力を入れ、地域経済浮揚に取り組む姿勢が必要なのではないかという声が出ている。
(日刊木材新聞 H26.03.28号掲載記事抜粋)
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